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てんてんです。

レコードプレーヤーのてんはやはり「転」。

大昔からうちにあった大きなステレオセットの上段に鎮座していたあのターンテーブル。


うちは喫茶店だったこともあり、LPレコードが山のようにありました。
父の好きなジャズ、クラッシック、演歌。
姉の愛聴のロック、80年代ポップス。
わたしのレコードといえばヤマハ音楽教材、みんなのうた、アニメ大行進といった類。

そのほか紙芝居用の物語レコードとか、雑誌の付録(ソノシート、知らない方はグーグルしてください)もたくさんありました。

子供用のレコード盤には模様や色がいっぱいついてて、それを回転させるとお花やちょうちょうがくるくる回るのがうれしくって何度もかけました。何度でも歌いました。

それをいま何度も何度も思い出しています。

ああ古い話。


で、家からLP盤が消滅した頃、わたしは京都の喫茶バーで働いていました。
そこにあったのが、でっかい大音量スピーカに繋がれたレコードプレーヤー。

マスターの好みでパンチの効いたバップジャズの古いレコードがたくさん置かれてました。

盤をテーブルに乗せます。
針を持ち上げると回りだします。
静かに溝へ落とすと、「ぼっ」という音とともに、レコードの雑音が始まります。
ああ、この瞬間がたまらないのです。
開演が始まる前の観客のざわざわ、オーケストラ奏者たちの音あわせのようでもあります。

音量をぐっとあげてます。

至福のときです。

盤に傷があったり、微妙に反れてたりすると、一定の間隔であのさりげない「ぼっ」が出ます。
じっじっじっという雑音も心地よく響きます。

往年ジャズのレコーディングには、ことさらに雑音がすでに音源としてふくまれています。ライブ版でなくともスタジオの様子が手に取るように感じられます。
演者の会話やぶつぶつ言う声。
足音。
ギターの弦がすれる音。
ピアノのペダルの音。
後半の息の上がり具合なども。

それがどきどきするのです。

すぐそこ、隣の部屋で実際に彼らが演奏しているという錯覚に陥ったりもします。
お疲れさんと言ってビールを持っていってあげようという気になります。

今、CDさえも姿を消していっています。

音源はすべてダウンロード。
インターネットさえつながれば、てんてんの音もマイスペースなんかで、ちょちょちょいっと聴けてしますのです。
お気軽になったわけです。
くるくる回らないのです。
擦れたり、傷ついたりするもありません。

それでも、さびついたり飽きられたりはするのです。生もの、旬のものでから。


でも、てんてんの音楽は、いつまでも回転するように出来ています。
忘れ去られたレコード盤のように。
雑音といっしょに。

世界中のひとに届かなくっても、わたしの知る範囲の人たちの間で、勝手知ってるお茶の間で、静かに回り続けたいと思うのであります。


と、ひとまずきれいに終わったところで「てんてん樂」の第一章を綴じます。

またあるとき、何かの拍子にまた違った「てんてん」が生まれましたら、随時お伝えいたしたいと思うしだいであります。
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まずまずてんてん
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HN:
てんてん-TEN TEN
HP:
性別:
非公開
自己紹介:
日本生まれ
カナダ大陸東南あたりに生息
比較的温暖な緑地を好む
雑食型(主に草食、ときどき肉)
群れない
種子を残さない
でもそれなりに依存型

「三味や太鼓で大騒ぎ」が得意
ひにひにてんてん
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