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あやめの花の澄んだ紫。
気品や風格、艶やかさといったさまざまな美しさを備えた色です。
 
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 写真提供;http://kabegamimura.net/
 
太鼓を胸にしっかりと抱きます。
まるで赤子をあやすように、やさしく単調な拍子を打ちます。
心臓に直接太鼓の音を感じながら一歩一歩あゆみます。
それは新しい生命の息吹なのです。
 
胸に確かな鼓動を感じながらきりりと空を仰ぎ、菖蒲の美しい三弁の花がたおやかに踊りだします。
 
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YOSH INOUYE
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伽羅とは代表的な香木の銘。 

この得もいわれぬ芳香は、大地の中ではぐくまれます。やわらかい原木が土中に埋もれ長い年月を経るうちに堅牢となり、沈香が生まれます。そのなかでも極上のものが伽羅といわれています。そして伽羅色とは、深く神秘的な老木の色です。


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山や川などの自然があって、風土があって、そこに住む庶民がいれば日々の祈りが生まれます。
宗教に関係なく常に生活と信仰は密接に結びついているのです。

わたしたちは神に感謝し、豊作を祈り、そして平安を乞うために太鼓を打ち鳴らし、舞を舞います。

それこそが太鼓の原点。
祈りがあってこそ魂が宿り、魂があるからこそ太鼓が響くのです。
 
 
伽羅の香気は、邪をさけ、穢れを去り、無上の歓びをもたらすといわれます。
 
大地を守る鬼はみそぎの霊気を放ち、伽羅の香を炊き込んでこの地に舞い降ります。
鬼神が太鼓の轟きともに天地を揺り動かしはじめます。


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YOSH INOUYE
つい先日、公演を終えたばかりの永田社中「いろは」のプログラムです。

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てんてん楽曲以外にも、たくさんのオリジナルが数あるのですが、それをどれからどう紹介しようかと今考えているわけです。

あいうえお順が簡単そうにみえて、これまた大変です。
いちいち書き出さなくてはなりません。

古い順というのもいい案ですが、なんにせよ収集がつかないのです。
年代とかはとかく覚えにくいです。
じぶんでもいつ書いたのやら判らなくなってくるものです。
CDや音源などに入れたのならまだしも、書いたまま眠っている曲などは、いつはじめて、いつ完成した(もし終わりがあるなら)のか皆目見当がつきません。

とにかく、記憶に新しいフレッシュなところから攻めることにいたします。


「いろは」公演では、演出をさせていただいたと同時に、この日のために12曲を書き下ろしました。
そのうち2曲が去年使ったものの再アレンジなので、実際には新曲10曲。

すべての曲は、なんらかなのカタチで色にかかわっています。

舞台の構成としては曲と曲とのかかわり、時間の流れなどをまず第一に考えることにしました。

たくさんの照明と衣装替え。
なかなかやり応えありました。
今回、全曲を一から作るにいたって相当な時間と労力を費やしましたが、その結果あって悔いのないステージになったと満足しております。

まず一曲目をご紹介するまえに、いろはの色について。


さまざまな形で表現される色。
同じ色でも人それぞれの呼び方はありますし、それぞれが思い浮かべる色合いもまたさまざまです。
 
春夏秋冬、四季折々の自然の変化に富む日本において、人々は目にする自然の色から季節の移ろいを感じ、恵みの豊かさに感謝し、色彩と語らいながら生きてきました。

 
今回の公演での作品はすべて色が題材となっています。
 
音を色にすると言うことは、どんな色かを説明したり演出することではなく、
 
曲のイメージする音、または表現したい色を説明をするつもりはありません。
わたしたちは楽器や音を通じて、いろんな色をつけてみたり、重ねてみたり、または織りこんでみたりする作業を常に繰り返しています。それぞれの色がもたらすリズムからは、時間・空間の広がり、手ざわり、温度までも伝わってくると思います。
 
そこに生まれる色彩は単なる効果や仕掛けではありません。

わたしたち永田社中が生みだす音のなかに、確かな色やカタチがあることをじかに感じていただければさいわいです。


幕開け;

東の空が白けだんだんと朝に向かっていく、あの空の色合いを東雲とよびます。
 
朝の空気とともに澄みわたり、どこまでも壮大かつ幻想的なあの色です。

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 写真提供;http://kabegamimura.net/
 
「しののめ」
読んで、書いても良い言葉です。
 
そしてこの壮大な朝焼けの東雲色を実際に目の前にするとき、大自然への賛歌はコトバというよりウタとなって現れます。
そのウタは祈りにほかなりません。
 
そして今、このわたしたちの祈りとともに幕が開きます。
 

と、ここまでが先日の永田社中「いろは」公演のプログラムにある曲目紹介文。

一曲目に披露したこの「東雲」という曲は、詠唱、吟謡とでもいいましょうか。
とにかく、朝焼けとともに詠みあげられる祈りのうたです。

わたしたちは、姿勢をただし、意を決して、この祈りを謳いあげなければなりません。

それが作法であり、自然のふるまいだと考えるわけです。

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photo by;YOSH INOUYE
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こちら、「テンテン後囃子」となります。
とうとうアルバム最後の曲です。

出囃子で始まったので、後囃子できっちり締めたいのです。
結びと閉じ。

さいごにどーんと盛り上がったままの気持ちで終わりたいですよね。

すでにテンポも調子もあがってきます。
気持ちも高ぶるわけです。
そして絶頂!

というわけです。

気持ちよく上昇していただけたでしょうか。

てんてんセカンドアルバム(未定)もよろしくお願いいたします。


テンテン後囃子


曲:高橋アキ
三味線鳴り物:高橋ア
囃子太鼓:永田キヨ
囃子篠笛:ハイディ




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てんてん歌謡曲、「1から10ノ数エ歌」。

恐縮ながら、ずいぶん昔につくったうたです。
ギターコードもあるのです。
というか、もともとギター弾き語りでとしてつくりました。

歌詞は時代によって変動型なので、いろいろございます。

これがアルバム録音直後に本唄として決まったものです。


いちばん好きなもの
じんだそらの蒼
さんぽの帰り道
らない街にあう

通り過ぎる街を数えたら
また同じ場所に来て
かぞえきれない

ごから雨になり
また続くかぞえうた


ろくろく歩けない
しちてんばっとうで
はちまん様のある
きゅうなさか道まで

こぼれおちる木の葉数えたら
次から次に落ちてきて
かぞえられない

じゅうぶん遊んだら
また続くかぞえうた


そらに浮かぶ星を数えたら
はじめの星がわからない
かぞえきれない

いちからじゅうまで
また続くかぞえうた


こんな風に、一から十まで数えていくわけです。

ちょっと歌詞が違ったかもしれない・・・

いや、たぶんこんな感じだったと思うのです。
レコーディングの際の記憶があやふやなのです。

こうやっていつでもどこでも勝手につくっているので覚えきれるはずもありません。


そのときどきにつくった遊びうたなのだから。


1カラ10ノ数エ歌

曲・詩:高橋アキ
三線:高橋ア
篠笛:ハイディ
坂本いづみ



 

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九番目になりました、「道成寺ノ変」という曲があります。


有名な「娘道成寺」という歌舞伎などで良く知られた物語をご存知でしょうか。

道成寺には大きな釣鐘があり、安珍、清姫がいて、大蛇がでてくるお話です。

大筋はわかりますが、細かいことは知りません。
歌舞伎のお芝居でそのときに使われる景気のいい三味線曲も、じつは良く知らないのです。
でも何度か聞いて耳に残っているフレーズとかがあります。
「日本のサウンド集」とか「歌舞伎大全集」とかそういう類だったと思います。

三味線がジャンジャカとなんだか景気良いいのです。

そこに心地よい鼓の「すっぽんすっぽん、てぽぽぽ・・・」といった音がくわわり、龍笛が高らかに鳴り響くと、拍子木がカッカッカッカ・・・・・

で、「いよっ日本一!」

といった具合なのでしょう。


このお決まりの形態というのに、わくわくするのです。

どうしてもべたべたの歌舞伎調がほしくて、道成寺をテーマに一曲てんてん風にアレンジすることにしました。
とくに「いよー」とか「ほー」とかの掛け声が、たまらないのです。

これでも歌舞伎役者になったつもりで演奏しているのです。

紙ふぶきが目に浮かびます。


道成寺ノ変

歌舞伎舞台での伝統劇曲
編曲:高橋アキ
三味線・小鼓:高橋ア
太鼓・龍笛:永田キヨ
鼓:ハイディ

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次にご紹介しますは、「サナブリ」。

語源は「
早苗振り」。
自然と暮らす人々にとってはとても大事な行事です。

田植え
の作業を終え一息つく頃、田の神様へお供え物をし盛大な儀式・酒宴が行われました。
農家の人々が待ち望む、このサナブリの時期、どうか今年も稲がたくさん実りますようにという切なる願いがこめられて太鼓を叩き、舞を舞うのです。

農業から離れていった現代人でさえ、自然の恩恵を一生受けて生きながらえるのです。
 
わたしたちが唯一出来るのは、感謝の気持ち。
純粋に生きたいと思う気持ち、です。
 
毎年田植えの作業を終えた後この節で唄い舞った人々といっしょに、わたしたちも田の神に祈ります。

ただただ祈るのです。


サナブリ

古曲
編曲:高橋アキ
太鼓鳴り物:高橋ア
篠笛チャッパ:永田キヨ
篠笛締太鼓:ハイディ
 
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でました、「チャッキリ節」です。
アルバムには7曲目におさめられております。

お茶で有名な静岡県の茶切節てんてん風味、というわけです。

カエルや鳥を鳴かせてみました。
コーラスを入れて合唱してみました。
ついでに詞も付け加えてみました。

とにかくぱあーっとみんなで楽しくわいわいとにぎやかにやりました。


悲しいかな、いまだかつて茶つみの経験ありません。
というか、茶畑さえも見た事無いのです。(どうやって見分けたらよいのでしょう)

一生のうち一度でいいから、お茶場でチャッキリ節を唄いながらちゃっきりしたいのであります。


チャッキリ節

静岡民謡
編曲:高橋アキ
唄・三味線:高橋アキ
カエル・声・太鼓・鳴り物:永田キヨシ
鳥・コーラス・鳴り物:ハイディ陳

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次の曲、「とっとめーさい」と言います。

沖縄語(ウチナンチュ)です。
幼児用語で「お月さん」という意味なのだそうです。
古い沖縄わらべ歌本にそうかいてあったのです。真偽はわかりません。

どうしても本国語(日本標準語)などを使うと意味が先走りしがちです。
かといって英語歌詞なんかで唄うなんてこっぱずかしい事はできるわけもありません。

こどもが言葉遊びするように、言い易く、覚え易く、リズムある言葉を並べて唄うほど楽しく愉快なことはありません。こうやって三線に、勝手きままな「うちなんちゅ」を乗せてできあがったのがこの曲です。


この曲に関しては、できるだけわたしが愛する沖縄という土地をわずかながらにかたどった、ということのみにとどまります。くわしい説明は抜きです。

簡単に言うと、三線をかき鳴らして楽しくぱーっとやりましょう、ということ。

かつて沖縄には二度わたりました。
二回目の滞在では、那覇の美大に行っていた友人とともに沖縄秘境の数々を探索。

どうにかこうにか島の漁船に乗っけてもらい、慶良間諸島のひとつ座間味へ。
素もぐりで水の中にお邪魔しました。
はじめての海中旅行。
たくさんの小魚に出会いました。
色とりどりの奇怪な海草や珊瑚がひろがっています。
海の底の知らない国。
客のわたしはせいぜい小魚を蹴散らすことしか出来ず、縦横無尽に行き来する魚介類の姿にあたふたするのみなのです。

太陽はすぐそこ、です。


くらくらする日差し。
ぎらぎらする南国の景色。
ゴーヤの苦さ。
そして三線のたるーい響き。

あの時、からだ全体で沖縄と言う土地を感じたのです。


とっとめーさいを唄いながら、沖縄を想うのであります。


トットメーサイ

曲・詩:高橋アキ
唄・三線:高橋アキ
唄・太鼓・鳴り物:ハイディ陳


 


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五曲目は、「堀江三曲」です。


大阪の堀江といえば現在は家具の町。

かつては芸妓さんでにぎわう色町だったそうです。

そこに「堀江盆唄」という古い唄が残っています。
廓(くるわ)のことを唄った、とても静かで風情のある唄です。


かんてき割った すり鉢割った
エノー 叱られた 「可笑しゅてたまらん」

竹にスズメは 品よくとまる

それ すいか それまっか
エノー 焼けナスビ 「食いたい食いたい」

とめてとまらぬ こいつアまた いろのみち

それ 廓 それ 堀江
エノー 里景色 「まごころまごころ」

色で迷わす 浅漬けなすび
ヨーイヨイ


ことばひとつひとつに味わいがあります。

わたしのような若輩には、こんな粋で艶のある歌詞は唄いこなせるわけもありません。
あと30年かかってったて唄いきれるかどうか・・・


この情緒あふれるくるわの曲をぜひやりたい、そう思ってインストで挑戦。

お琴に三味線に篠笛。

これほど相性の良い楽器はありません。

この邦楽器は三つは、三曲とよばれてお座敷などで演奏されていたのです。
西欧クラシック音楽でいうところのコンチェルト;ピアノとバイオリンと、ええと、チェロといったふうですか(よくわかりませんが)。


お琴も琴奏者も手近におりませんでしたので、ハイディのお母様がお稽古用に持っていた中国の古筝(グゥジョンと発音されます)をお借りすることになりました。
演奏者はハイディ自身。
金属弦が21本もありますので、それは低く、そうとう深い音がでます。
お琴というよりも、エコーのきいたアップライトベース、横版。

三味線が拍子を刻み、古筝がベース、そのなかで篠笛が旋律を奏でます。主旋律部分以外は即興です。

今にも美しい芸妓さんが舞うような、そんな趣のある一曲に仕上がったといろんな意味で満足しております。


上記の写真が、コンサートでの「堀江三曲」演奏風景。
永田氏が笛メロディを担当しております。

とても色っぽいのです。
なにがって、彼が。

いちばん女性らしいのが、永田キヨシ、その人です。

勉強になりました。


堀江三曲

古謡(作者不明)
編曲:高橋アキ
三味線:高橋アキ
古筝・篠笛:ハイディ陳

 

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まずまずてんてん
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HN:
てんてん-TEN TEN
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性別:
非公開
自己紹介:
日本生まれ
カナダ大陸東南あたりに生息
比較的温暖な緑地を好む
雑食型(主に草食、ときどき肉)
群れない
種子を残さない
でもそれなりに依存型

「三味や太鼓で大騒ぎ」が得意
ひにひにてんてん
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